「Jazzの魅力って? 一にアドリブ、二にスイング、三にインタープレイ 読めば納得!」記事で、ジャズの魅力の一つは、思わず体をスイングしてしまう、「Swing」感、いわゆる「のり」であることを説明しました。
その際、JAZZファンも納得の渾身の生演奏 !!!として話題になった映画『スウィングガール ズ』の予告編動画を紹介したところ、率直な反応がたくさんありました。
”ジャズを聞きたいと思っていましたが、なんか小難しい感じがして入り込めなかったです が、この動画を観て、納得しました。もっと素直になって、自然にスイングすればいいんだ ”
”予告編動画で出てくる台詞「なんか、いくねぇ。いくねぇ!」がジャズの魅力をよく表現していると感じた”
などなどです。
この記事の目次
スウィングガールズ

『スウィングガールズ』(Swing Girls)は、2004年公開の日本映画。脚本・監督は矢口史靖。
矢口史靖監督と言えばといえば、 実際のシンクロナイズド・スイミングの演技を出演陣が完全再現して話題となった大ヒット作 『ウォーターボーイズ』の監督です。
『スウィングガールズ』は東北の片田舎の落ちこぼれ女子高校生がビッグバンドを組んで、 ジャズを演奏する青春映画で、キャッチフレーズは「ジャズやるべ!」です。
この映画の見どころは、なんと言っても出演者による実際の演奏です。
2003年初旬に行われた映画「スウィングガールズ」のオーディションによって集まった 17人の俳優によって、この映画のためだけに結成されたスウィングジャズビッグバンドです。
メンバーの中には学生時代に吹奏楽部などで担当楽器を経験していた者もいましたが、専門家は1人もおらず、「のだめカンタービレ」でブレイクする前の上野樹里をはじめとするメインキャスト5名は担当楽器の経験が全くないという状況で始められました。
製作過程

その製作過程についてふれましょう。
- 2003年5月から楽器練習を開始し、6月と7月の二度の合宿を含む約3ヶ月の猛特訓を経て2003年7月25日に山形県置賜地方にて夏編のクランクインを迎える。
- 夏編クランクイン後も映画の撮影と平行して演奏練習が続けられ、8月中旬には劇中ラストの音楽ホールを撮影。
- その他の多くの演奏シーンも撮影された。2003年9月1日に夏編クランクアップ。
- 翌2004年2月17日に冬編クランクイン。劇中で非常に重要なシーンとなった冬の列車シーンや学校校庭シーンなど、冬の風景をつかったシーンの撮影を行い、2004年2月25日に冬編クランクアップ。
- 途中「SWING GIRLS オリジナルサウンドトラック」の製作をはさみつつ、全ての撮影を終える。
- 2004年7月5日、渋谷 CLUB QUATTRO にてお披露目ライブを兼ねた映画完成会見を行う。
この日が1年前に集まった17人のバンド「スウィングガールズ&ア・ボーイ」デビューの日となった。
バンドの正式名称は、「スウィングガールズ&ア・ボーイ」。略して、「スウィングガールズ」とも呼ばれています。
実際に映画が公開されると、主演者すべての実際の力演に話題が集まり、素人同然の出演陣が楽器演奏までに至る道程が 映画とリンクし、実際のコンサート活動にまで発展しました。
実際に行われた演奏

実際に行われた演奏はざっと次の通りです。
- 映画キャンペーンのためにフジテレビ「お台場映画王」などのイベントへの出演
- TV番組への出演、2004年8月28日から8月31日の4日間で東北各地にて演奏活動(通称「東北キャラバン」「東北キャンペーン」)を経て、9月11日に記念すべき劇場公開初日を迎える
- 公開初日、大阪梅田ナビオTOHOプレックスおよび東京日比谷シャンテ シネにて舞台挨拶を行い、その合間を縫うようにフジテレビ「メディア見たもん勝ち!ゼルマ」へ出演して初めての生放送番組で演奏を披露した
- 9月18日には渋谷パルコパート1前にて「スウィングガールズ渋谷ジャック!」ライブ
- 9月19日はさくらんぼテレビのイベントで生放送ライブを行い、会場となったさくらんぼテレビ駐車場には入りきらないくらいの山形県民が押し寄せた(矢口監督談)同日夕方からロケの中心となった米沢市の米沢サティ(主人公らのアルバイト先)屋上駐車場でイベントが行われ直後、向かいのワーナー・マイカル・シネマズ米沢にて舞台挨拶を行う。あまりの多さに2館での舞台挨拶となった
- 翌9月20日にはフジテレビ「とくダネ!」へも出演し、生放送で自分達の演奏を披露
こうした、映画の内容とリンクし、実際の演奏活動と組み合わせた手法は新しいメディアミックスの形としても注目されました。
この映画の持ち味は言うまでもなく出演者自身による体当たりの熱演にあります。
クライマックスの演奏シーンが白熱し 観る者の心を打つのも吹き替え無しで演奏する出演者の 本気の熱気が伝わってくるからなのでしょう。
ここで、そのクライマックスシーンを観て頂き、納得して頂きます。
[youtube-adds id=”http://www.fukuda.co.jp/aehttps://youtu.be/ZDhLJeU455wd/movie/movie_manual1.html” style=”de-notepc” margin=”2%”]いかがですか。
会場で聴衆が徐々に体をスイングさせながら、音楽を楽しんでいる光景がうつされます。
まさに、これが「のり」つまりスイングです。
ジャズクラブでは聴いているうちに、思わず体がスイングしてきます、それこそがジャズの楽しみの一つなのです。
竹中直人演じる数学の先生に女性が「やっぱ~ ジャズって良いもんだね~」のせりふが耳に残ります。
私はオーディオにも興味がありますので、このシーンに目を奪われました。
それは竹中 直人演じる数学教師の部屋を覗く上野(のだめ)樹里達の場面で部屋の中に設置されたSME のプレーヤーに マークレビンソンのアンプと JBL4348のスピーカーなどです。
オーディオマニア垂涎の世界の名機の数々に眼を奪われました。
『原信夫とシャープス・アンド・フラッツ』の演奏する動画

ここで、今観て頂いた動画の中で演奏された『シング・シング・シング』を、日本のビッグバンドの最高峰である、『原信夫とシャープス・アンド・フラッツ』の演奏する動画も観て頂
きましょう。
このYoutube動画は所有者の意向で この記事のような所有者以外のWebサイトでは見れません。お手数ですが画面上右下のYoutubeマークをクリックしてご覧下さい。
もちろん最高峰のビッグバンドの演奏ですから、その素晴らしい演奏を十分楽しむことが出来ますが、スウィングガールズの演奏も決してひけをとらない感動を与えてくれると思いませんか?
吹き替え無しで演奏する出演者の 本気の熱気を感じるからだと思います。
ところで、この原信夫とシャープス・アンド・フラッツの演奏でのソロ部分(アドリブ)でジャズの名曲の一部のメロディをさりげなく盛り込んでいますが、そうしたメロディを聴いて「あっ!この曲のメロディ一部をふぃている~」なんて分かってくると、更にジャズを楽しめますよ♫
[quads id=”1″]カウントベイシーオーケストラ

最後に、今回の記事の私からのとっておき・お勧めのビッグバンドの名演奏を紹介しておきます。
大御所の”キング・オブ・スウィング”と言われたカウントベイシーオーケストラです。カウントベイシーは私の大好きなピアニストです。
べイシーは無駄のない「ワンノート・スタイル」という「節約奏法」とも呼ばれる演奏スタイルを貫きました。
本当に必要な音だけを演奏するスタイルですね。
出来るだけ無駄な音を排除して一音一音を絶妙なまでの演奏スタイルです。
「男は黙ってサッポロビール」あっ!分かりますか。!
だいぶ古い三船敏郎の演じるサッポロビールのコマーシャルです。
饒舌な男より、芯のある寡黙な男に魅力を感じるのは私だけでしょうか?まさに「男の色気」 だと思います。(思わず力が入る(^0^))
[youtube-adds id=”https://youtu.be/lzkkKeVw1II” style=”de-notepc” margin=”2%”]最初の演奏を聴くと、「ワンノート・スタイル」の良さが分かると思いますが、いかでしょうか?
約60分にわたるコンサートを収録しています、是非気楽に全部を聴いて頂けると、体がほぐれますよ!
まとめ
いかがでしたか?
映画「スウィングガールズ」に焦点を当てて、ジャズの楽しみ方を一つ感じて頂ければ幸いです。
そしてビッグバンドもなかなか良いじゃないか~と感じてくれたそこのあなた!
ビッグバンドの極上の演奏を特集した記事も書きたいと思っていますので・・・。
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最後までお読み頂き、誠に有り難うございました(*^-^*)
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