ストレス社会の中でますます健康志向が強まっています。
健康を保つには食生活が大事と言われていますが、どういうことでしょうか?
健康を維持するために非常に重要な「酵素」が関係しているようです。
そこで、今回その「酵素」について徹底解説いたします。
健康維持効果を発揮する酵素とはそもそも何?
健康ブームの中で、酵素ドリンク、酵素サプリなど酵素を含んだ様々な健康志向製品が発売されて、マスコミにも多く取り上げられています。
そんな酵素って一体何者なのでしょうか?
生きるために絶対になくてはならない酵素とは
炭水化物、タンパク質、脂肪の三大栄養素に加え、ビタミン、ミネラルが加わり、更に食物繊維が入り6大栄養素と呼ばれています。
しかしビタミンやミネラルよりも、私たちの生命を維持する上でもっと大切なものが酵素です。
ビタミンやミネラルには酵素が不可欠
身体に良いということで今、流行のビタミンやミネラルなどの栄養サプリメントを飲んでる方は大勢いらっしゃることでしょう。
しかし中には、今ひとつ効き目が現れないと感じている方も多いのではと思います。
この問題を解く鍵が酵素にあります。
ビタミンやミネラルをいくら摂っても、酵素がなければ身体の中で十分に機能しません。
酵素あってのビタミン・ミネラルなので、酵素の働きを助けるという意味で「補酵素」と言われるようになっていることからも、いかに酵素が重要であることわかります。
酵素は単一機能
酵素の構造を簡単に言えば、ミネラルの周りにタンパク質が巻き付いたもので、その組み合わせは現在約3000種で、今後も新たに新しい酵素が発見されていきます。
このように多種多様な3000種にもわたる酵素がありますが、それぞれの酵素はそれぞれ一つの仕事しかできません。
一つの例を挙げましょう。
消化酵素として有名なアミラーゼというものがあります。
これは唾液の中に含まれているもので、デンプンを分解する酵素です。
これはデンプンを分解しますがタンパク質を分解することはできません。
酵素は熱に弱い
先ほど説明したとおり酵素の構造はタンパク質がミネラルの周りに巻き付いているので、酵素自体は熱に弱いのです。
一般に酵素が耐えられる温度は50度くらいから、せいぜいから70度くらいまでです。
このことから加熱した食べ物に、酵素の機能は失われてしまっています。
普段の食生活において、加熱したものばかりたべないように心がけねばなりません。
酵素が存在するのは発酵食品や新鮮な生の食べ物
日本にはみそ、納豆、糠付けなど多くの発酵食品があります。
これらの発酵食品にも、酵素が豊富に含まれています。
そして生の肉や魚、生野菜、果物などの新鮮な食物には多くの酵素が入っています。
この発酵食品や生の食物に含まれている酵素のことを食物酵素といいます。
[aside type=”boader”]一口メモ:食物酵素
食物酵素の働きとしては、まず消化前の段階であらかじめ食べ物を消化しやすい状態にしてくれることがあげられます。
また、食物酵素は食品内のその他の栄養素に働きかけ様々な反応を起こし、栄養素を強化したり、新たな栄養素を作り出します。
日常の例としてわかりやすく説明しましょう。
焼き魚に大根おろしをつけて食べますね。
大根おろしは、焼き魚と一緒に食べると食物酵素として消化を助けてくれます。
[/aside]健康維持効果を発揮する酵素は2種類(潜在酵素と食物酵素)に分かれます
その人間が固有に持っている、一生のうちで作れる一定量の酵素のことを体内酵素といいます。
それに対し、身体の外にある酵素があります。
それが食物酵素です。
そして「食物酵素」は生の果物や野菜そして発酵食品に含まれ、血液を循環させて消化を促進します。
では、2種類の酵素のうちのひとつである体内酵素について説明しましょう。
体内酵素には消化酵素と代謝酵素があります
酵素をつくる能力は、一人一人遺伝子によって決まっていて限界があります。
各々の人間が固有に持っている、一生のうちで作れる一定量の酵素のことを体内酵素といいます。
体内に存在する体内酵素には、大きく分けると、「消化酵素」と「代謝酵素」の二つがあります。
ではそれぞれを説明しましょう。まず消化酵素です。
[aside type=”orange”]- 消化酵素
これは文字通り消化のための酵素で、私たちが毎日食べるご飯や野菜などの食べ物を消化分解し、吸収するための酵素です。
「消化酵素」は文字通り食べた物の消化を助け、消化器内で分泌される酵素で食欲を増進します。
中学の理科で消化酵素について学習した経験があると思います。
少し思い出してみましょう。
唾液の中に含まれているアミラーゼでんぷんを分解する酵素でしたね。
胃液に含まれているプロテアーゼは、タンパク質を分解する酵素です。
膵液の中にある、脂肪を分解するリパーゼなどがあります。
これらは、消化酵素です。
[/aside] [aside type=”orange”]- 代謝酵素
「代謝酵素」は、吸収された栄養を体の細胞に届けて新陳代謝をよくし、体の悪い部分に作用して自然治癒力や免疫力を高める役割をしてくれます。
代謝酵素の機能
・新陳代謝を高める:吸収された栄養をを体中の細胞に届けて、有効に働く手助けをする
・デトックスを強化する:毒素を汗や尿の中に排出する
・自然治癒力を高める:体の悪い部分を修復し、病気を治す
・免疫力向上
消化酵素の重要性
酵素が不足すると血液がどろどろになってしまいます。その仕組みについて消化酵素を例にとり説明します。
[aside type=”sky”]唾液に中に含まれる消化酵素はデンプンをアミラーゼに分解します。
デンプンはブドウ糖が連鎖してつながれているイメージです。消化酵素(アミラーゼ)はこの数珠つなぎになっている武道との連鎖を一つ一つに分けていきます。
その一つになった玉がブドウ糖です。
しかしここで、消化酵素が不足すると未消化の糖がそのまま吸収されて血液の中を漂います。
この未消化の糖は、血液をドロドロにして、赤血球どうしをくっつけてしまいます。
赤血球は直径が約7ミクロン。
一方毛細血管の直径は5ミクロンです。
赤血球は柔軟にできているので、通常は、自分よりも細い血管を通るときには変形して通れるのです。
消化酵素不足により赤血球同士がくっついた状態になると、細い血管を通ることができなくなります。
身体の中を張り巡らされている血管の長さはおよそ10万キロメートルもあり、約90%は、毛細血管であると言われています。
赤血球が毛細血管の隅々まで行き渡らなくなってしまうので、結果として体中の細胞に血液が行き渡らなくなり、様々な病気を引き起こすようになってしまうのです。
しかし、そのドロドロして汚れた血液でも、酵素が十分にあれば、連なりがとけてサラサラした血液になるのです。
[/aside]例に挙げたデンプンだけでなく、タンパク質でも脂肪でも同じことが言えます。
では消化酵素の不足を引き起こす背景はなんでしょうか?
消化酵素の不足を引き起こす原因は、食べ過ぎや、加熱料理されたものを多く食べることにあります。
加熱調理された食べ物には、酵素がありませんので、身体がすべて、自前で消化するために酵素を作らなければなりません。
しかし、食べ過ぎや、病気・加齢で酵素をつくる力が弱くなっている人にとっては、酵素を作るのが追いつかなくなり、食べたものが十分に分解されないまま、体の中に入ってきてしまうのです。
気をつけねばならないのは、本人は栄養を摂っているつもりで食べても、酵素が不足すると身体の中では異物となっている現象が起こってしまうことです。
消化酵素の重要性についておわかりいただけたと思いますがいかがでしょうか?
消化酵素と代謝酵素の関係
さて次は消化酵素と代謝酵素の関係をみていきます。
体内酵素は消化酵素と代謝酵素から成り立っており、生産される量には限界があることを説明しました。
つまり消化酵素ばかりを消費していると、代謝酵素のほうが不足してきます。
例をとって説明しましょう。
[aside type=”sky”]焼き魚に大根おろしを添えた場合と添えない場合を比較します。
大根おろしは食物酵素です。
ここで酵素を作る能力が100の人がいます。
焼き魚を消化するには50の酵素が必要とされます。
大根おろしは食物酵素ですから消化を助けてくれ、その力を20とします。
すると大根おろしを一緒に食べると、焼き魚を消化するのに必要な50の酵素のうち、大根おろしにより助けられた20を差し引くと30の酵素が使用され、残りの70が代謝酵素に回されます。
一方大根おろしを食べない場合は50の酵素が使用され、残りの50しか代謝酵素に回されません。
代謝酵素は、免疫力や自然治癒力や新陳代謝の働きを受け持つ酵素です。
この例のように、大根おろしを食べない場合は、食べる場合と比べ、代謝酵素が不足してしまうのでウイルスなどが侵入してきたとき、防衛できなくなります。
風邪をひきやすくなったり、またひいたあと、治りが悪くなったりします。
さらには様々な病気にかかりやすくなってしまうのです。
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風邪をひいた時に、私たちは何を食べるでしょうか。
お粥ですね。
その理由には確かな根拠があります。
お粥は脂っこいものに比べて、消化しやすいからです。
消化のために酵素を余分に使わなくて済むので、余った酵素の力を代謝酵素に回せるのです。
このように消化を助けることによって、酵素の力を免疫力や自然治癒力を高める代謝酵素に回そうとするからだということです。
一つの自然治癒力とみることができるのです。
調子の悪いときこそ消化しやすい酵素がたっぷり入った食事を摂るようにすると良いということです。
健康維持に大切な酵素が不足してしまう生活とは?
健康維持効果を発揮する酵素不足を招く生活とは
「腹八分目は医者いらず」という言い伝えをお聞きになったことがあると思います。
腹六分目でちょうどよい
実はその続きで、「腹六分目で老い知らず」という言葉が続きます。
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ミジンコ、ハエ、ネズミ、マウスなどの小動物の寿命はえさの量によって違うという実験結果が出ています(ハウエル博士実験)
えさの量を制限せずに与えた場合と、腹六分目程度に制限した場合では後者の方が寿命が2倍になったというのです。
食べすぎることで、酵素を使いすぎると寿命が短くなってしまうのは人間の場合でも同じです。
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一方、腸には8割もの免疫が集中しており、腸の状態が悪くなると免疫力が低下し様々な不調に落ちいってしまいます。
そうなんです!、健康や若さの鍵をにぎるのが腸なんです!
腸を老化させないためには、腸を働かせすぎずに腸内環境を整えることが重要、つまり腹八分目(小食)が重要なのです。
過食、夜食は酵素の大きな無駄遣い
「夜だけど、小腹が空いたから食べちゃえ」
「今日は食べすぎた(飲み過ぎた)なぁ」
そうした経験、心当たりがありませんか?
過食すると、胃や腸の消化酵素が総動員されて、消化酵素が不足してしまいます。
本来は代謝に使われる酵素が消化に回され、代謝機能が弱まります。
すると、臓器機能が悪化し様々な病気や不調にみまわれます。
とりたい油とそうではない油とは
「あぶら」というと、『体に悪いと』か『太る』などのように悪いイメージがつきまといます。
しかし、悪いばかりではありません。
細胞膜の70%、脳の60%は脂肪です。
脂肪がないと細胞は存在できず、脳も機能しません。
従って、『油を出来るだけとらないようにする』ことはないのです。
食事から摂取した油は、そのまま細胞膜になったり、脂肪細胞になりますので、重要なのは摂取する油のよいもの、悪いものを知っておくことが重要です。
体によくない油とは
- トランス型脂肪酸
マーガリンやショートニングの原料がトランス型脂肪酸で、人間の体内で代謝されない人工的な食品です。
体の中の細胞膜に入り込むと、細胞の働きを狂わせ、ビタミンなどの栄養を食い荒らす悪玉脂肪です。
海外では使用が禁じられている国も数多く存在します。
- 酸化した油脂
油脂は長時間空気と触れる、あるいは高温で加熱されると酸化が進みます。
こういた酸化した油を摂取すると、血中にLDLコレステロールが酸化した過酸化脂質(老化の原因となる活性酸素の一種)が発生し、動脈硬化の原因となります。
作り置きされた揚げ物、油で揚げたスナック菓子(ポテトチップスなど)も酸化していますので食べ過ぎるのは控えたいです。
- 過剰なリノール酸
「植物性の油はヘルシー」といわれている植物性油には多く含まれているリノール酸の過剰摂取が近年問題になっています。
アレルギーやがん、心臓、免疫にんなどに関わる病気に影響を及ぼすことが明らかになってきています。
参考までに、リノール酸が原料となっている食物には、マーガリンやドレッシング、マヨネーズ、スナック菓子に多く含まれています。
体によい油とは
では体によい油とは何でしょうか?
- αーリノレン酸油
- EPA・DHA
- オレイン酸油
が体によい油と呼ばれていますが、こうした質の高い脂肪を含む食べ物は何でしょうか?
それは
- 天然の青魚: 最近DHAやEPAなど血液をさらさらにする不飽和脂肪酸がく多く含まれており、注目されていますね。
- 亜麻仁油、エゴマ油、しそ油(αーリノレン酸が豊富)
- アーモンド、クルミ、ピスタチオなどのナッツ類(αーリノレン酸、オレイン酸など健康によいものが多い)
こうしたことも頭の片隅に入れて日常の食生活を考えることも大切ですね。
まとめ
いかがでしたか?
我々の健康を維持するために、酵素がいかに重要な機能を果たしているかおわかりいただけたでしょうか?
お読みいただきありがとうございました。