2016年今年はVR(ヴァーチャルリアリティ)元年とも言われています。
9月15日から18日にかけて千葉・幕張メッセで東京ゲームショウ2016が開催されました。
今年の東京ゲームショウで最も注目を集めたのはなんといっても「VR(仮想現実)」でしょう。
VR関連のアプリは110タイトルにのぼり、初めて設置したVRコーナーには6つの国・地域から35社が出展し、「VR元年」と称されました。
SONYPlaystationVRが発売され、定価が5万円弱にもかかわらず、品薄で価格ドットコムの最低価格でも6万3千円程度で販売されているほど、売れています。
東京ゲームショウ2016のニュースでの取り上げも「VR元年」として扱われ、そうした報道を見て、今年が「VR元年」なんだと認識された方も多いのではないでしょうか?
しかしSONYPlaystationVRが話題を呼んでいるからと言って、そうした動向や、関連記事を書くつもりはありません。
皆さんに伝えたいのは、VRやARに深く取り組んでいる企業がどのような未来を描いて活動しているのかを描きたいのです。
そうした大きなうねりの中に、SONYPlaystationVRの話題が出てきたのです。
間違いなくVRは今後の重要な市場を形成していきます。
決してゲームだけの展開ではないのです。AR(拡張現実)とはどのような関係か?等々・・・
VR/AR市場は2020年には現在の市場規模である52億ドルから1620億ドルまでに成長すると見込まれ、この成長予測を年率成長率に換算すると
年率181.3%になるとしているほどの可能性を持っていることは確かです。【国際的調査会社IDC(International Data Corporation)が発表】
ところで皆さん「インターネット元年」って、いつだったか知っていますか?
今日の日本のインターネットの基となったのは1984年に東京大学、東京工業大学、慶應義塾大学の3つの大学が互いに実験的にコンピュータをUUCPで結んだ“JUNET”でした。
それから11年後の1995年の 阪神・淡路大震災でインターネットの威力が広く認められ、利用者が急伸。日本では「インターネット元年」と呼ばれたのです。
21年前に「インターネット元年」と言われていますが、当時の一般の人たちは現在のようなネット社会の姿に発展するとは想像もつかなかったのが現実でしょう。
このときに正確な情報を取り入れてビジネスでの取り組みをイメージしておけば良かったと思っても遅いのです。
先見の明を持ったごく一握りの人が、そのときにインターネットの潜在能力を考え、積極的に取り組み、試行錯誤の上、莫大な成果を上げることが出来たのです。
私は「インターネット元年」の状況の再来がこの「VR元年」だと考えています。
「VR元年」と言われる2016年にこの状況を正確に捉え、継続的に情報を取り入れビジネスの方向性を考えることは非常に重要でしょう。
そうした中で、我々はVRとARについて正しい認識を持っている必要があると考え、今回記事にしました。
この記事を読めば、現在のVRアプリがゲーム市場で盛り上がっているこの現実から、何を見ていけば良いのかがわかります。
VRとは
VRとは、コンピュータ上に人口的な環境を作り出し、あたかもそこにいるかの様な感覚を体験できる技術です。
日本語では「仮想現実」あるいは「人口現実感」と呼ばれます。
VRは、ゴーグル型の「ヘッドマウントディスプレー」を使って人の視界を覆い、アプリによるコンピューター映像を見せることで現実世界と人工的な世界を差し替える世界を指します。
2016年は「VR元年」とも呼ばれており、Oculus RiftやHTC Vive, PlayStation VRなどハイエンドVR機器が多数発売・予定されています。
今は、VRにたいしてこの認識を持てば十分です。
補足として、VR元年と呼ばれる牽引車はゲーム関連市場ですので、Oculus RiftやHTC Vive,PlayStation VRについて比較表を載せておきます。
主要VR機器比較 | |||
製品名 | Oculus Rift | HTC Vive | PlayStation VR |
価格 | 8万3800円(別途送料1万800円) | 10万7784円 | 標準版4万8578円、カメラ同梱版5万3978円 |
発売日 | 2016/3/28 | 2016/4/5 | 2016/10/13 |
プラットフォーム | Oculus Home、Steam | Steam | PlayStation 4 |
動作マシン要件 | Windows PC(参考実売価格13万円から) | Windows PC(参考実売価格13万円から) | PlayStation 4(実売価格3万1000円から) |
ディスプレー解像度 | 2160×1200 | 2160×1200 | 1920×1080 |
リフレッシュレート | 90Hz | 90Hz | 120Hz、90Hz |
視野角 | 約110度 | 約110度 | 約100度 |
ヘッドセット重量 | 実測約487g | 実測約579g | 約610g |
それぞれ一長一短あります。
それぞれの長短について簡単に触れておきましょう。
Oculus Rift、HTC Viveは先行して発売されているだけにVRアプリがすでにある程度揃っています。
しかし多くのVRアプリが日本語化されていないことが弱点です。
チュートリアルがややこしい英語で説明されている場合は敷居が高いのことは事実です。
皆さんもうすうす感じているかもしれません。
それはいわゆる「大人向け」のアダルトVRアプリへの対応です。
Oculus Rift、HTC Vive対応のアダルトVRアプリはまだまだ初期の感じはしますが、この手のアプリは潜在的なニーズが多く、商売にもつながりますので急速に伸びていきます。
技術的な洗練度も飛躍的に向上していくことは、間違いないです。
現にドイツなどでは、アダルトVRアプリに特化した展示会、日本でもそうした動きが出てきています。
Oculus Rift:
出典元:AOL-Online-Japan-Ltd
HTC Vive
出典元:AOL-Online-Japan-Ltd
一方PlayStationVRはどうでしょうか?
PlayStationVR
出典元:AOL-Online-Japan-Ltd
PlayStation VR用には有名な大手ゲームメーカーが開発・リリースした大作VRアプリが数多く揃います。
スパイク・チュンソフト『サイバーダンガンロンパVR 学級裁判(デモ)』、バンダイナムコエンターテインメント『サマーレッスン(仮タイトル)』、ユービーアイソフト『Eagle Flight』をプレイしたいのであれば、PlayStation VRを購入するしかありません。
しかし言うまでもありませんが、PlayStation VRでアダルトVRアプリが発売されることは絶対にないでしょうし、個人制作のカジュアルなVRアプリが配信されることも当面は考えられません。
これはある意味では大きなポイントです。
VRという言葉が持つ世界を夢見て、実験的なVRコンテンツ(アダルトVRアプリを含む)を楽しみたいのであれば、PlayStation VRと合わせてOculus Rift、HTC Viveのいずれかを購入するべきと言えるでしょう。
実際に投資額は結構な額になりますが。
ARとは
ARとは、現実空間に付加情報を表示させ、現実世界を拡張する技術のことをいいます。
VRは現実世界とは切り離された仮想世界に入り込みますが、ARはあくまで現実世界が主体です。
Microsoftが開発しているAR技術製品HoloLensの開発者版が2016年3月に発売しており、今後の進展が期待されている技術HoloLens(Microsoft)です。
このYoutube動画は近未来のAR技術を使用したイメージを正確に表現しておりますので、皆さんにもARの世界をイメージしていただけたと思います。
ARは、現実世界の映像に特定のコンピューター映像を重ねて表示します。
先行しているVRに対し、ARは後に続いて普及する技術と考えられています。
ポケモンGOは、拡張現実(AR)機能を使ってスマホの画面にポケモンを表示します。
AR機能をオンにしてプレーすると、スマホのカメラで撮影した街角や自宅の部屋に、あたかもポケモンが存在しているかのように見えますが、まさにその機能がARです。
これまで、ごく一部の人々にしか認知されていなかったAR技術を、ゲームに取り入れることで一気に身近な技術へと変えたポケモンGOの功績は多大といえるでしょう。
ARの代表製品として、米グーグルが開発したグーグルグラス(Explorerエディション)については、各種メディアでも紹介されましたのでご存じの方もいるかもしれません。
出典元:GIZMODO
しかし2015年1月19日(米国時間)をもってベータテスター向けグーグルグラス(Explorerエディション)の販売を中止しました。
2012年に製品発表、昨年5月にはアメリカで販売が開始され、いよいよ日本での発売も間近と期待されていただけに話題になったことを覚えています。
販売中止の実態は個人向け製品開発をとりあえず見直し、BtoB向けの製品開発に軸足を移していくということのようです。
販売を中止するという大きな決断の背後には様々な理由があったと思いますが、中でも安全性の問題とプライバシーの問題が大きな要因と言われています。
ここまでの説明で、VRとARの認識を持っていただけたと思います。
では、今後VRとARはどのように発展して、我々の生活面でどのように具体的にその顔を見せてくるのでしょうか?
現在スポットライトを浴びているのはAR(拡張現実)ではなく、VR(仮想現実)です。
今年VRが大きな飛躍を見せているのは、同技術が早くからビデオゲームに焦点を当てていたおかげです。
一方、ARはもう少し待つ必要があります。
ARに関する主なプロジェクトは依然、詳細が明らかになっていないのです。
マイクロソフトは、年内に開発者向けにAR端末「HoloLens(ホロレンズ)」を提供する予定ですが、市場投入はかなり先になる見通しのようです。
HoloLens
また、グーグルのスマートグラス・プロジェクトも復活するようだが、詳細は不明です。
グーグルグラスについて、個人の日常利用という観点では、現時点でその安全性とプライバシーの問題を超えられていない状態ですが、一方で業務利用という観点では、グーグルグラスを活用した様々な実証実験が行われており、そこでの成果が報じられています。
グーグルは、グーグルグラスの企業向けソリューション開発を手がける企業を対象とした認定パートナープログラム「Glass at Work」を昨年4月に立ち上げており、現在は10社が認定パートナーとなっています(「Glass at Work」プログラムは現在も継続中)。
これらパートナー企業を中心にグーグルグラスを活用した実証実験やBtoB向け開発が積極的に行われており、また欧米だけでなく日本においても、企業や団体による様々な試みが行われています。
ARについて、実際の利用形態を見ることで理解を深めることが出来ます。
DHLのケース
出典元:Pantgraph.Inc
倉庫作業におけるグーグルグラス(スマートグラス)活用の事例です(出典:Pantgraph.Inc)
DHLは「Glass at Work」認定パートナーであるUbimaxとの提携により、スマートグラスとAR(拡張現実)技術を活用して倉庫におけるピッキング作業を効率化する「ビジョンピッキング」のパイロットプロジェクトを実施しました。
ビジョンピッキングは、スマートグラスに表示されるAR映像を通じて作業員に指示を出すことで、ピッキング作業の迅速化とミスの削減を目指しています。
出典元:Pantgraph.Inc
実証実験はオランダにある倉庫で行われました。
作業員はグーグルグラスあるいは「VuzixM100」などのスマートグラスを装着し、そこに表示される倉庫内の通路や製品保管場所、数量等の作業情報に基づいてピッキング作業を実施していきます。
常に両手を使って作業ができるということから、決められた時間内に2万品目以上をピッキングし、9,000件の注文を完了させることが出来ました。
これは、従来のピッキング作業効率を25%も向上させた結果になったということです。
日本企業での事例を紹介しましょう:日本航空の航空機整備におけるグーグルグラス活用の事例です(出典:Pantgraph.Inc)
日本航空の航空機整備におけるグーグルグラス活用の事例
出典元:Pantgraph.Inc
日本航空(JAL)と野村総合研究所(NRI)は、グーグルグラスをはじめとしたウェアラブルデバイスを活用し、先進的な業務スタイルの追求を目的とした実証実験を米ホノルル空港で実施しました。
ウェアラブルデバイスの持つ情報伝達機能・カメラ機能を活かして、JAL本社のスタッフが遠隔地にいる実務スタッフへの後方支援を行います。
同時に、実務スタッフにはハンズフリー環境を提供することで、現場作業の効率性の向上や負担軽減を実現することを目指しているとのことです。
航空機の整備業務では、従来は現地の整備担当者から電話やメールで機体の傷などの報告を受け、日本の本社からも電話やメールで指示をしていました。
実証実験では、整備担当者が点検中に見つけた傷や不具合をグーグルグラスにより画像や映像で撮影し、日本の本社に送信します。
AR(拡張現実)技術を組み合わせて、グーグルグラスに表示された画像に重なるようにして、指示する文章が吹き出しになって表れます。
端末を装着したまま音声通話ができるため、指示を聞きながら両手で作業ができるとのことです。
また観光案内では、広島平和記念公園での観光案内のケース、神奈川県の金沢文庫地区案内など、様々な活用がされています。
観光案内におけるグーグルグラス活用の事例です。
広島平和記念公園での観光案内のケース
出典元:Pantgraph.Inc
広島市の広島平和記念公園でグーグルグラスを活用したAR(拡張現実)アプリのデモンストレーションを、山陰・山陽スマート観光プロジェクト推進協議会と総務省中国総合通信局が協力して、実施しました(出典:Pantgraph.Inc)。
地域情報・観光情報配信アプリ「ふらっと案内 for Google Glass」というアプリは、グーグルグラスを通じて利用者の目前に地図を浮かび上がらせ、観光スポットまでの方向や距離などをナビゲーションするというものです。
公園内にある原爆ドームなどの観光スポットの方向、距離を計測するなど、観光情報ツールとしての操作性、効果などを検証したところ、参加者からは「スマートフォンのように下を向かなくても、情報を得られるのは便利」などの肯定的な評価が得られたとのことです。
このように、業務利用の領域ではグーグルグラスを活用した取り組みが数々行われ、業務の効率化や業務の精度向上に成果をあげているケースも多く報じられています。
こうした活用事例からも分かるとおり、グーグルグラス(さらにはスマートグラス全般)の優位性(ハンズフリー、視界の共有)をうまく生かした取り組みであるということだと思います。
出典元:Pantgraph.Inc
いかがですか、ARの利用メリットがイメージできたのではないでしょうか?
こうした実証実験を考えると、将来での限りない可能性を我々一般人にとっても感じ取ることが出来ると思います。
そうした可能性に立って何がビジネスとして考えられるかと考えることこそ重要な観点と思います。
ハンズフリー:
グーグルグラスをはじめ多くのスマートグラスは音声コマンド等での操作が可能で、端末に触れる必要が少ないため、端末を使いながらでも両手を自由に使うことができます。
スマートグラスを使えば、現場作業などでマニュアルや作業指示書を手に持って確認するために、作業を中断する必要がなく、ノートPCやタブレット端末を操作するために視線を大きく外す必要がありません。
視界の共有:
グーグルグラスをはじめ多くのスマートグラスは前面にカメラを備え、そのカメラが捉える視界の映像を遠隔地にいる別の人と共有することができます。
現場のその時々の細かい状況を、視界映像の共有によってその場にいなくても確認することができるため、その時々の状況に応じた正確な作業指示等をリアルタイムで遠隔から作業者に伝えることが可能です。
このテクノロジーはデザイン、小売り、医薬、教育、娯楽、自動車といった分野の幅広いユーザーを取り込める可能性を秘めています。
ユーザーの視界をふさぎ、閉ざされた仮想空間と置き換えるVRと異なり、ARは現実世界に仮想の物体を重ね合わせるためにコンピューティングパワーを必要とします。
この点でコンピューターやゲーム端末機に接続して使用することが多いVR端末の方が数段有利です。
ARヘッドセット
これに対し、ARヘッドセットは可動性が必要で、頭に装着する端末に多くのコンピューティングパワーを詰め込む必要があります。
これはまだ開発中の技術で、ARディスプレーはVRに少なくとも1年から1年半ほど遅れをとっているとガートナーのアナリスト、ブライアン・ブラウ氏は推定しています。
まさにAR製品を市場投入できるかどうかは、ヘッドセットの完成具合にかかっているわけです。
今年はソニーや台湾の宏達国際電子(HTC)、米フェイスブック傘下のオキュラスなどからビデオゲーム向けのVR製品が発売される予定ですが、価格の高さから普及は当面、限られる公算が大きいと思います。
ARは、ヘッドセットの価格がさらに高く、当面はゲームのように推進役となる市場が存在しないため、普及には一段と時間がかかるでしょう。
一方で、ガートナーのアナリスト、ブライアン・ブラウ氏によると、ヘッドマウントディスプレーの販売台数は今年の140万台から2020年までには約4000万台に急拡大する見通しで、その大半はARが占めることになると予測しています。
このようにARは十分現実味のある投資先になるはずです。
いかがですか?
VRとARの置かれている状況について理解が深まったと思います。
将来的には、VRよりARが大半を占めるとの予想は信憑性があります。
ではARの未来予想図-何がどう変わるかについて書きます。
ARの未来予想図
今のところ、ヘッドマウントディスプレーは大型の安全メガネのようなものから自転車用ヘルメットに似たものまでデザイン面で不格好です。
また視界が狭い、解像度が比較的低いといった限界や問題点があります。
しかし多くの技術者は、数年以内にあらゆる物の表面にバーチャルスクリーンを投影できるようになると考えています。
ちょうどマイクロソフトが発売を計画しているヘッドセット「ホロレンズ」のように広い視界・鮮明な解像度のほか、画像のリアル感につながる反応性を備えているようにです。
先の動画マイクロソフトヘッドセット「ホロレンズ」で見ていただけると、まさにSFの世界です。
しかし、こうした使い方が数年のうちに必ず実現していくのです。
この未来像を捉えて我々はなにが出来るのかを考えていく必要があります。
行く先々の壁が、ジェスチャーで巨大なディスプレーに変わり、職場になる!装着しているヘッドマウントディスプレー1枚以外はスクリーンのない世界を頭に描いてみましょう。
このように未来を劇的に変革していくARについて、水面下で着々とそうそうたるテクノロジー大手メーカーが開発を進めているのです。
フェイスブックのザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は、同社がARを開発中であることを明らかにしていますし、サムスン電子とアップルはいずれも興味深い特許を有し、専門家を採用しています。
またアップルはドイツのAR企業メタイオを買収しました。
グーグルは今もARを着々と開発しており、デベロッパーは「オーラ」と名を変えたグーグルグラスの新バージョンを手にできるのです。
セイコーエプソンは5年前からARメガネを提供しており、「モベリオ」第3世代の「BT-300」の出荷を年内に開始する計画です。
ゴールドマン・サックス・グループは最近、AR・VRのハードウエア市場規模が2025年までに800億ドル(約9兆円)に達するとみているが、これは現在のパソコン業界に匹敵する規模です。
そしてゴールドマンによれば、それまでにARがVRを凌駕(りょうが)するとも予測していますが、その理由は、VRがパソコンだとすれば、ARはスマートフォンと認識しているからです。
VRは安全な閉鎖空間でしか使えないが、ARは実世界で使うことができるからです。
ブライアン・ムリンズCEOは「将来的にARが至る所に存在し、それなしの生活は想像できない時代が絶対に来る」と話していますが、必ずそうした世界がやってきます。
ARの技術的課題は、VRより大きいことは明白です。
エンジニアらによると、本当に優れたARには、自動運転車の装備に匹敵する量の演算能力とセンサーが必要だと言います。
しかし、そうした演算能力をもつプロセッサーは既にスマートフォンに詰め込むことが可能で、多くの新型スマートフォンは、米国防総省高等研究計画局(DARPA)主催の2015年「グランド・チャレンジ」で優勝した車のコンピューターより強力です。
開発業者は既に、エプソンのモベリオ向けにアプリ(作業員が離れた場所にいるエンジニアからの指示を見たり、看護師が患者の腕への投影を見て血管の場所を特定するため)を提供しています。
ARが成功するには、ヘッドセットやメガネ型端末を小さくする必要がありますが、小型化や軽量化に向けて着実に具体化しています、例えばエプソンのBT-300はわずか60グラム強です。価格も下がらなくてはなりません。
しかし、初期の頃は価格は高いところからスタートし、将来性のある製品は拡散し製造台数/販売台数が増加するにつれて劇的に価格が下がってきます。
時期・時間が解決します。
むしろ、ARの最大のハードルになるのはおそらく人間側にあると思います。
実際にグーグルグラスの使用に際し、顔にコンピューターを装着すると、監視されるという恐怖心と機械に人間らしさを奪われるとの懸念から、ある種の拒絶反応が起こったという記述もあります。
仕事で装着しなくてはならない場合を除き、日常的に誰もAR機器を装着したがらないことも想定されます。
しかし、ARは、顧客とアプリがビジネスに絡んでくることから、いつの間にか我々消費者に忍び寄ってくると考えます。
従ってARは将来無くてはならないインターフェイス技術になると確信します。
まとめ
いかがですか?
今年のゲームショーを皮切りに「VR元年」と話題を集めている現象から、決してゲームの世界での話ではないことをお分かりいただけたと思います。
未来の革新的な技術としてVR、ARを捉え、数年後いや数十年後かもしれませんが、そこに描かれる世界を想定して今から仕掛けられる仕込みをしていきませんか!